学校別模試はあてにならない?
〇学校別模試の方が正確な判定が出るのではないか?
学校別模試は、その志望校と似たような問題・形式・時間で本番に近い形で、その学校を実際にうける子供が多数受けるので、いつもの模試よりも正確な判定が出るのではないか?
普通は思っちゃいますよね。
でも違います。
学校別模試の合否判定の正確性は低いです。
統計学的に、通常模試と比較しての話です。
〇通常模試の方が信頼性が高い証拠
統計学的に言いますと、通常模試の方が正規分布に近いからです。
わかりやすく写真で示します。
通常模試の合否分布グラフは滑らかな山型の曲線に近いです。
学校別模試はデコボコしています。(同じ年の同じ学校)
分かり易く言うと、滑らかな山型曲線に近い方が相関関係を説明するデータとして統計学上の信頼性が高いことを意味しています。
〇学校別模試があてにならない理由
秋の時点では、基礎力の定着具合も測る通常模試の方が、2月1日の学力との相関関係が高いからですね。
つまり、難問ばかりで構成された本番レベルの問題を秋に解く「秋の時点での難問対応力」よりも「秋の時点での基礎力+応用力」を測る問題の方が2月1日時点の学力を精確に予測できるということです。
それだけ、秋までは基礎力の定着具合が大事で、難問対応力を身につける勝負は秋以降に展開されるということですね。
〇それでも学校別模試を受けるべき理由
合格可能性を判定するデータとして使うべきではありません。
本番の疑似体験による対応力の向上訓練、いわば「本番に強い受験生」になるために使うべきです。
的中率が高いので見直しをしっかり行い学力向上のツールとして使うべきです。
特に、サピックスの学校別は殆どの受験者が受験するため、模試で出題された問題は、みんな復習するので、殆どの受験者が解けるべき典型問題となってしまっています。
本番で的中された時のダメージがデカいです。
典型問題解けないと落ちますよね?
その他、いい成績が取れた時にいつもの模試に比べても気分がアゲアゲになるといったところが、学校別模試を受けるべき理由になります。
気分がアゲアゲになる理由は、本番に近い形式だから判定も本番に近いのではないかという全くの勘違いなのですが、本記事で述べた通り、オトナは通常模試の方が合格可能性判定資料としての精度が高いということを忘れないようにしましょう。
難しいですけどね~
〇結論
首都圏難関校の合格可能性は通常S模試で判断すべきだが、合格力を上げるために学校別S模試も受けるべき。
(追伸)
ちなみに、私は日能研のカリキュラム(学力を向上させる機能)は信用できると考えています。
その学力を生かすために、他塾模試も利用すべきと考えます。
鉄緑生(or河合生)だから駿台の東大模試は受けないとかしないですよね?
受けましょう。
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