ギフテッドってなんだ?【違和感の正体と子供への影響】

 最近耳にすることが多くなった「ギフテッド」その定義の不明確さゆえに、いろいろな人のモヤモヤになったり、親の自己顕示欲の発露に使われる単語となっている現状を追った。

ギフテッドとは


〇特定分野に特異な才能のある児童生徒・子供

文部科学省は対象となる児童生徒のイメージが論者によって異なることから「ギフテッド」の語を用いず「特定分野に特異な才能のある児童生徒」と表記している。(wikiによる)

文科省は「ギフテッド」の語を用いずとあるが、この定義は、「ギフテッド」の定義として割としっくりとくる。

具体的には東大・院を経て23歳で京大助教になった27歳の京大准教授が国際的な数学の賞を受賞したニュースなどを聞いた時には、天才的だなと思ったりするし、天賦の才があるのだろうと思うし、「ギフテッド」と言われてもしっくりする。

このように、多くの人が納得する「天才」、又は「天賦の才」があり、それが権威ある賞の受賞歴などより証明された人間に対して、「ギフテッド」と呼ぶことは、人々は違和感を感じない

同様に米国の多くの州で採用されている定義である「特定の分野において高い潜在能力を示し、また、そうした能力をフルに開発するには通常の学校教育にはない支援や活動を必要とする子供」と聞いた時にも、この定義自体には違和感を感じるものではない。(定義はwikiによる)


しかし、SNSで飛び交う「ギフテッド」に違和感を感じるのは何故であろうか?


〇ギフテッドへの違和感

結論から言えば、「ホントか?」と感じるからである。


学術的に○○法知能検査で△△点以上がギフテッドと言われたところで、我々一般人にはピンとこない


私の様に、東大という知的レベルの高い環境に行った人間でさえ、ニュース以外で、リアルで「天才」や「ギフテッド」には会ったことがないのだ。

現実世界でお目にかかることのない出現率という希少性にもかかわらず、SNSのプロフ欄でみかける「ギフテッド」の記載の多さには、疑念を抱かざるを得ない


一方で、親は自分の子どもが賢いと信じるものだし、子の才能を信じるのは人の道にかなう行動であろう。

自己顕示欲のぶつかり合いによるエンターテイメントの場でもあるツイッターXにおいて、「我が子すごい!」とドヤる親が大量発生するのは当然であるし、そのドヤりのツールとして「ギフテッド」が使われるのも自然な流れだ。

というのも最近「ギフテッド」が多用される背景としては、各種知能検査などがあるために、「天才」という単語よりも客観的なものだという主張がしやすいことがあげられる。

「うちの子、天才なのよ~」よりも、「うちの子、ギフテッドらしい」の方が、客観的で、タダの親バカではない印象を与えるのである。

違和感の正体は、「ギフテッド」という単語が、「我が子すごい」「天才」等のニュアンスをかぶせて一般人が納得できる根拠なしに使われることなのだ。

(ドヤられた方としては、昔も今も、親バカは人の道でもあるので、この現象自体はモヤモヤしても我慢するしかなかろう。)


〇子供への影響や育成

一番懸念される影響は、ギフテッドと呼ばれて育った子供が、特別な成果も出せていない「並の人」として成人したときに、マトモな精神状態でいられるのだろうかということだ。

確かめたいが、生存者バイアスが働き、ダメだった「元ギフテッド」は、表には出てこない

実際に、SNS上でさえ、子供のギフテッドは大量に見かけるが、大人のギフテッドを見かけることはない

「元ギフテッドの子どもたち」は元気にしているのであろうか。


育成面では、「ギフテッド」を「天才」とは、全く別のものとして、認定・選抜して教育支援を行うべきとする専門家もみられる。

底辺層への支援が強調される現代社会であるが、英才教育に支援を行い、すぐれた才能を開花させ社会が発展するのは理想像でもある。

教育とはそもそも、英才教育から始まっているのだ。

教育の語源は、中国の古典『孟子』に、君子の楽しみの一つとして、「天下の英才を得て、これを教育する」ことがあげられているのが最初の出典だ。(『孟子』尽心・上)

天下の英才」を得ることは2000年前からの課題であるのだ。

その認定・選抜システムは厳格であるべきだが。

「天下の英才」を得て、「特別な教育支援を行う」ことの必要性は2000年前から不変ということでもある。

親又は指導者が、「ギフテッド」の非凡な才能を信じて、見抜き、各種認定・選抜システムにより、特別な教育支援が行われるようになるのは、良いことであろう。

我が子の才能を信じる親は、ドンと教育投資をして頂き、認定・選抜された「天下の英才」に対しては、君子(公的主体)による「特別な教育支援」が行われることを期待するものである。

ただし、公的支援を行うのであれば、「認定・選抜システム」が一般人の納得を得られるような、難易度・希少性・客観性をもつものでなければならない。

(ネットで見かける「ギフテッドのチェックリスト」には、現在社会で活躍している一般サラリーマンレベルの子ども時代でも、ほぼほぼ当てはまる緩さを感じる。)


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