海外留学奨学金が打ち切り?【船井電機倒産により】
学部留学30倍、大学院留学13.4倍と応募者が殺到する大型奨学金を66名に支給する船井財団。(2023 年度事業報告書による)
○船井奨学金はどうなるのか?
設立母体企業的な船井電機の倒産(破産)で船井財団の海外留学奨学金が打ち切りになることへの心配の声があります。
ので、懸念点が該当するか調べてみました。
主な懸念点としては、
①設立母体企業等から毎年、奨学金事業費を受け取っていて、倒産により今後の寄付金がゼロになると奨学金支給原資が無くなるのではないか?
②財団の基金で船井電機の株・社債を買っていないか?
船井財団のHPを調べてみると、
上記①に関しては、
財団保有資産が113億円で、年間の利息・分配金収入が3億円、支出が4億円。年間1億円の赤字ですが、今後の寄付金が無くなっても、当面は十分に運営できる基金を財団自らが保有しています。
毎年の寄付金受け入れにより運営されている柳井財団とは異なり、設立母体に頼らない財政基盤が構築されています。
また、基金の目的外使用も法律により禁止されていますので、母体企業の倒産による借金返済などに充てることも、(法律違反などの相当な不正行為が行われない限り)、不可能です。
上記②に関しては、保有金額大きい順で
米国高配当株ETF、S&P500ETF、米5年国債・・・となっており、自社株買いみたいな個別株に手を出している気配はありません。
イギリス国債もありますが、米ETFと米国債が中心で、円安を予見していたかのような素晴らしいファンドマネジメントです!
支出が米国の授業料や生活費なので、足をあわせておくのは金融のプロには定番の考えだとは思いますが、タコつぼな運営になりがちなイチ公益法人がキチンと実行できているのはガバナンスに信頼がおけます。
安心して、学業等に励むことができそうです。